
BL&TLコミック好き歴約15年のkurataです。
育児しながら毎晩読み漁っています!
今回ご紹介するのは、一般的に『性的異常者』と呼ばれるふたりの純愛と闇が深すぎる作品、
【にいちゃん】
作・はらだ
販売日 2017年5月10日
当記事はネタバレと感想の内容です。
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また、18禁なので閲覧にはご注意ください。
【にいちゃん】のカップリング
こじらせ同姓小児愛者(にいちゃん)
×(リバ)
にいちゃん愛爆発執着同性愛者(ゆい)
にいちゃん(攻・受)
- 同姓小児愛者
- 裕福な実家とのトラウマあり
- 狂気的
- 薬・たばこ依存
- 愛に飢えている
ゆい(攻・受)
- 元々性被害者
- 初めは健気受け
- 絶対的にいちゃんの理解者
- 達観した考え方
- 両親は共働き
【にいちゃん】あらすじ&ネタバレまとめ
幼い頃、近所のにいちゃんに手を出され、現場を母親に見られてしまったゆい。
それを境に、いつも遊び相手になってくれていたにいちゃんは姿を消し、
親からは過保護なまでの監視を受けるようになってしまった。
あれから時が経ち、にいちゃんを忘れられないゆいは、
ある日もあてもなく街を徘徊し、そして、ついに再会の日がくる――。
しかし、久しぶりに会ったにいちゃんは、昔のような優しいにいちゃんではなくなっていて……。
ふつうってなに まともってなに これはいけないこと…?
BL界の鬼才・はらだが描く衝撃の禁断愛、ついに解禁――。
引用:ebookjapan
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【にいちゃん】を読んだ感想
名も知らぬ『にいちゃん』の存在がゆいの人生を歪ませる
一巻完結作品。
『性的異常者』と呼ばれるふたりが、互いを受け入れ世間に抗い続ける歪んだ愛の物語です。
今回ははらだ先生が描く、性的少数者の闇が深すぎる社会的な背景のある難しい話で、私の大好きな『ハッピークソライフ』と差がありすぎていろいろと考えさせられます。
主人公のゆいが小学生、高校生、大学生と舞台は移り変わっていきます。
学校に遊び相手がおらず、両親が共働きで家にいるのも退屈だった小学生のゆいが大好きだったのは、名前も知らない『にいちゃん』。
ゆいは純粋に自分の持っていないゲームで遊ぶのが楽しかったけど、にいちゃんがゆいに声をかけた理由は幼いゆいには到底想像もつかなかった不埒な理由だった。
他の子がまだ知らない気持ちいい遊びをしよう、と純粋なゆいの好奇心をくすぐる下劣な言葉に、読んだ当時の私はまだ子供はいなかったけどうわぁ・・・って思ってました。
今となれば自分は男の子のお母さんをやっているもので、この男の卑劣さと気持ち悪さに身震いしながら読み進めます。
何とかこの時ゆいはこの男に犯されることはなかったものの、両親にこの事実がバレてにいちゃんも大事になる前にゆいの前から姿を消します。
両親はその後ゆいへの監視を強めます。
そりゃそうだろう。
共働きで子供を見てあげられていなかった後悔、ゆいの心の傷などを考えたら気が気じゃない。
だけどゆいとしては犯されそうになった恐怖ではなく、あの時にいちゃんとのセックスをびびって断ってしまってもうにいちゃんに会えなくなってしまった事実を後悔していました。
そして高校生になるまでずっと探し続けて何とかにいちゃんと再会します。
やーだからね、もう小学生の時からゆいのこじらせはスタートしていますね。
性の目覚めがにいちゃんの歪んだ性癖だったからまともにはなれないというか、むしろまともって何よ?という視点を持ってしまう。
変に頭がいいから同級生や一般的な価値観を見下しているゆい。
だからまた再会できたにいちゃんにあの頃みたくまた優しくかわいがってもらいたくて、ただ愛してほしくてもう逃げないからと自ら関係を迫ります。
でもにいちゃんもにいちゃんであの頃とは違ってさらに歪みに拍車がかかっていました・・・。
一度自分のもとから逃げたゆいを許さないと言わんばかりに、無断で撮影したり学生証を確認したりひどい扱いのオンパレード。
そしてそんな酷すぎる扱いを受けても尚、むしろ好きって思っちゃうゆいはもう立派に異常だなって。
にいちゃんが歪んでしまった理由
そんな折、ゆいは初めて女の子と付き合うことになります。
相手は舞子というクラスでも人気の容姿端麗な女の子で、なぜか告白されてしまいます。
ゆいは付き合うか迷ったけど、普通の男子高校生を演じるために、なによりにいちゃんが少しでも妬いてくれたりしないかと淡い期待を込めて付き合うことに。
でもにいちゃんは単純に舞子という女の子の存在に妬いているのではなく、ゆいが自分だけまともぶって彼女という存在を作ろうとした事実に嫉妬します。
にいちゃん自身もかつて親のために繕い彼女を作ったことはあったけど、結局ダメだったから。
で、にいちゃんとゆいが性行為をしている最中にゆいに舞子に電話をかけさせて、自分はホモだから別れてほしいと言わせて別れさせます。
んん~!鬼畜!!
というか仕方ないけどにいちゃん自己肯定感低すぎてえげつない!
だけどただのキラキラ女子じゃなかった舞子ちゃん。
そんな電話を受けておきながらちゃんとゆいの話を聞いてあげる。
というのも舞子もどこかゆいと似た部分があって、普通の女の子みたいに彼氏を作ろうとしていただけみたい。
そしてここで新事実。
舞子の父親は同姓小児愛の犯罪歴があり、それがまさに幼いころのにいちゃんだったという・・・!!!
世の中って狭いもんだね!!
つまりにいちゃんはかつて愛していた舞子の父親に捨てられた過去から、自分がされたことをゆいにもやってゆいの中に過去の幼い自分を投影していたっていう・・・。
にいちゃんが誰かに愛されたかった、という事実を知りゆいは驚きの行動に!
なんと電気ショックを持って舞子とにいちゃん家に突撃訪問。笑
バチっと一発電気を流してにいちゃんを動けなく縛ってゆいが跨り、『今からにいちゃんを抱く』宣言!!
愛していた人に捨てられて、周りから異常者呼ばわりされて否定され続けたにいちゃんの全てを愛してると全身全霊で伝えようとするゆい。
健気通り越してこちらも狂気的!笑
電気ショック使って縛ってにいちゃんを無抵抗にしてる。笑
まあゆいもそれなりにひどいことされてたからね、いいかな・・・。
まさかここでポジションが変わると思ってなかったのでびっくりしました。
健気受けからの狂気攻めにゆいは進化した模様。
同じ少数派の苦悩があるからこそ愛せるのは自分だけだと自信をもってゆいは言います。
確かになかなかいないよこの愛の重さ。
でもにいちゃんはゆいよりももっと年月がある分こじれているからそう簡単にはいきません。
またまたゆいの前から姿を消してしまいます。
にいちゃんの闇は深すぎるのよ。
というかゆいが振り切れすぎているというか。
実家に強制送還されていたにいちゃんを待っていたのは母親が金で雇った、にいちゃんの『異常性愛』を矯正する女性の先生でした。
にいちゃんのトラウマを作り上げた所謂毒親がこれまたすんごい。
下手に金があるから世間体を気にして、幼いころ性被害にあったにいちゃんの性癖を無理やり直そうとしてにいちゃんは実家を離れました。
でも大人になってからも両親はまだにいちゃんに『まともな男性』になってもらうために、安定した仕事に就けだの孫の顔を早く見せろと言ってくる。
見せられないよ、にいちゃんは立派なホモだもの。
こどもの生き方をなんだと思っているんだろう。
幸せって親が決めつけるもんじゃないのに。
にいちゃんにまともになってもらいたいのはきっと親自身の安心と保身のためでしかないよね。
もがいた末にたどり着く『愛の形』はハッピーエンドと言えるのか
そうして時が経ち、ゆいが大学生になった頃。
ゆいはまだにいちゃんから連絡はなかったけど諦めてないの。
もうストーカー級の執着。笑
大学生になっても舞子とは交流はあって、ふたりでカフェにいる時にその時はきました。
にいちゃん汗だくで登場!
ゆいの姿を見つけて走ってきたって。
今まではゆいがにいちゃんの存在を探し続けていたのに、やっとほんの少しにいちゃんの心が動いたようなそんな瞬間。
にいちゃんはゆいに連絡を取らなかった間のことを語り、かつて愛していた舞子の父親は新しい家庭を持っていたけどにいちゃんが会いにいっても覚えていてくれなかったそう。
それでぷつんと何かが切れてしまったにいちゃん。
人生振り回されすぎてて馬鹿らしくなるよね。
ゆいに対しても巻き込んでしまって申し訳なさだけがつのる。
両親に現状の全てを話してもやはり理解してもらえず決別。
それでも何か月も両親と話し合ったって、にいちゃん本当に本当は両親に自分という存在を認めてほしかったんだな・・・。
やっとゆいしかこんな自分を愛してくれないと気づいたにいちゃんは、ゆいに許しを乞います。
ゆいは顔を赤らめて愛の証明を求めます。
「キスして、ここで」
街中の人がたくさんいるカフェでね。
世間なんて不特定多数なんてどうでもいいんだよ。
ゆいはずっとにいちゃんだけが欲しかった。
その言葉におずおずと応じるにいちゃん。
もう逃げないで、と言うゆいに応えるにいちゃん。
ハッピーエンドのように終わるんだけど、なんだかじっとりと終わっていく物語。
後日談がありますが、ゆいは元々吹っ切れてるのでにいちゃんと一緒に居られてただ幸せって感じなんだけど、にいちゃんは薬とたばこに頼っているみたい。
はたして、にいちゃんはゆいを愛しているのでしょうか。
または、愛することができるのでしょうか。
今はまだとりあえずゆいに逃げてその存在にすがって、自分の居場所を作っているだけのように思えてしまう。
これだけのトラウマを抱えていたら誰かを愛するのは、また傷つけられてしまうのはとても怖いことなのかもしれない。
両親と絶縁しても尚焦燥感に駆られるというにいちゃんに、ゆいは「檸檬を本屋に置いてくれば治るんじゃない」といかにも文学的な発言をします。
これは梶井基次郎の短編小説「檸檬」のラストシーンで、積み上げた本の上に檸檬をひとつ置いて去っていくという描写を言ったものらしいです。
文学好きな人はこの言葉の意味がすぐに分かるみたいですが、私はそんなに知的ではないので調べてみました。
「檸檬を本屋に置いてくれば治るんじゃない」というゆいのセリフ
「檸檬を本屋に置いてくれば治るんじゃない」 = 自分が置いた檸檬が本屋で爆発するとしたら(妄想で)このもやもやとした鬱憤も一緒に吹き飛ばしてくれるだろう
といった意味。
なんじゃそれ?
以下はちょっとだけ脱線して檸檬のまとめ。
檸檬の主人公は得体の知れない憂鬱な気持ちに日々苛まれていて、昔好きだった音楽も絵画も楽しめなくなってしまっていた。
だけどある日店で購入した檸檬のおかげでその気持ちが嘘のように晴れてしまった。
あまりにも気持ちが晴れやかになったから、その檸檬を持ったまま最近は避けていたある本屋に入るけど、残念ながら気持ちは上がるどころかまた憂鬱がぶり返してきてしまう。
そこで主人公はとあるイタズラを決行。
持ってきた檸檬を本屋の本の上に置いて出ていく。
ただそれだけ。
だけどその置いた檸檬が主人公の妄想の中では爆弾のように爆発する設定で、それを想像するだけで主人公の気持ちもワクワクして鬱憤がはじけ飛んでしまう。
というお話。
最後には主人公の鬱憤も晴れて清々しい気持ちになれるハッピーエンドなんだけど、つまりゆいはすごく前向きな励ましでこの「檸檬を本屋に置いてくれば治るんじゃない」という言葉を使っている。
にいちゃんにはちゃんと響いたのかはわからないけど、ゆいのこのセリフが物語をより一層深くしているような気がしてならないのです。
結局最後まで好きとも愛してるともゆいに言っていないにいちゃん。
それはまだ時間がかかるだけなのか、ただゆいを逃げるはけ口にしているだけなのか。
にいちゃんの持っていた薬をパキンパキンと割りながら、自分と合わない価値観を切り捨てようとしているゆいの姿がどうにもハッピーエンドとは簡単に言い切れない物語です。

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